さとの店番日記
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あちこちに書き散らかしていた雑文を
一つ一つコピーしていこうと思い
自前のブログを試作してみた。

サイトを作り始めて5年以上
果たしてどんな具合になるかお楽しみ

それから2年..........

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2002/11/20 :: きまめや日記
マスター    「谷口さん、店引き継いでくれないか」
 
わたし          「えっ!」
 (一瞬目が点になった、根っからの天然と言われているわたし、「僕と一緒になろう」っていってんじゃないことはわかっているが、何のことかわからなかった。)
 
わたし           「わたしお店がありますから」
(別のお店(全然コーヒーとは無関係)をやっていたわたしにとっては、「この人何を  考えているんだろう」 と言うことしか思いつかなかった。)  
 
マスター   「コーヒー、好きなんでしょう」 
迫力のある顔で、マスターがたたみかけてきた
 
わたし           「好きですけど」
(バッキャロー、嫌いなやつがコーヒー買うか)、(だからなんだってんだ、コーヒー 好きなら、コーヒー焙煎やをやらなくちゃならないんか)
 
マスター   「あなたは本当に運のいい人だ、こんなに安く店が手に入るなんて」
どっかで聞いたような言い回しで、マスターが続けた
 
わたし 「それって、この店を買えって言うことですか」
「大家さんがいるんでしょう」
(買うのはコーヒーだけでたくさんだってば、今のお店だって四苦八苦だって言うのに、何考えてるのだろうこの人)
  
マスター 「損はさせないし、悪いようにはしないから」
ますます怪しい口調でマスターが続けた
 
わたし 「お金ありませんから」
こっちだって、明日の準備をしなくちゃだめなんだよ、かき入れ時だってのに!
 
マスター  「わかってるから、安くしてあげるんだよ」
全然わかっていない、この人!
 
わたし 「お話は後日ゆっくりお聞きしますので、今日は仕事の続きがありますから」
だんだん腹立ってきた、頼んだ覚えは無いってのに
 
マスター 「じゃあ、あした又ね」
恨めしげな顔で、だがしっかり念を押して、解放してくれた。






翌日の朝、仕入れ担当のおぢさんと、力仕事担当の女の子が店にやってきた。
 
わたし 「昨日、マスターがコーヒー屋やらないかって」
いつもの調子で笑ってくれると思って気楽に声をかけた
 
(^o^)ゞ 「どんな話?」「くわしくおせーてよ」
間髪をいれず
 
「いけますかね」
と真顔で二人が顔を見合わせていた
 
わたし 「もう止めるみたいよ」
軽く聞き流せよ、何そんなにマジになってるんだって!
 
(^o^)ゞ 「もっとちゃんと話をきいてきてちょ」「資料も預かってきてちょ」
リアクションが違うだろ!今が大事な時だってのに
 
「さすがママ、うまくやってくださいよ」
この二人は時々つるむ、確かに2人共コーヒーが好きだが、私にはわからん
 
その日二人は仕事そっちのけで、一日中コーヒーの話と、ネットの話をしていた

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2002/12/03
きまめや日記3
師走に入ったばかりの月曜日、その日は(^o^)ゞと女職人の来る日だ
ちょっと遅れて店の入ると、2人で私のほうをじろっと見た

わたし 「おっはよー」
ゲッ、なんか雰囲気が、いつもの遅れる時のリアクションと違う、冷たい眼差しじゃなく、めん中に炎が見える
 
(^o^)ゞ 「金ならココにあるぞい」
おいおい、コンビに強盗でもやったのか、封筒がいやに厚いぞ、勘弁してくれ
 
「これいいっすよ」
ぱるるの通帳じゃないか、ふむふむ、コツコツと貯めたんじゃな、残高はと。。。。三桁か、伊達にパラサイトはやっておらんな
 
わたし 「ちょっと、(^o^)ゞ、何これ、昨日タバコ代貸してくれって言ってたのに」
「あんたも何?コツコツ貯めたお金、こんなところに使っちゃしょうがないじゃないの、一人で養老院のお世話になる為のもんでしょう」
それにしてもたいしたもんだ、おいそれとは金なんて出さんもんだが
 
(^o^)ゞ 「知り合いの金貸しから調達したんだ、普通なら10日で1割なんじゃが、ワシに免じて、1月1割にしてもらったんだ、なーに、店やればすぐにとりかえせるさ」
冗談じゃないよ!高利の金なんて、何考えてるんだこの(^o^)ゞ!!
 
「貸すだけっすよ、金利は要らないから、マ、気持ち程度かな、毎月のプロバイダ料金がぐらいでいいか」
クワバラクワバラ、高利よりコワメ[、しかしやばいぞ、二人とも本気だよ
 
わたし 『気持ちはありがたいけれど、そんなお金使えません」
「(^o^)ゞ、とっとと返してきてよ!あんたは通帳しまいなさい!」
いい加減にしろっての、只でさえ、最近皺が増えてるってのに、これ以上私の若さを奪うつもりなの
 
(^o^)ゞ 「ワ、ワ、ワシだって、こんな商売好きで手伝ってるんじゃないわい、少しは夢のある事させろってんだ。」
「薄給で、毎日毎日、お客のババアと、店のババアの相手をしてばっかりいるから、どんどん頭の毛が薄くなってきちまったんだぞい。」
ヾ(・・;)ォィォィ!ババーのうちに私ははいっとらんだろうな、もし入ってたら許さんぞ!それに薄くなったのは、単に爺になっただけじゃねーか
 
「(^o^)ゞ、こーふんしないで、確かに若いのは私だけだかんな、その気持ち良くわかるけどさー」
さっき言い過ぎたか、根にもっとるな、しかし聞き捨てならんぞ、確かにおみゃーは若いかも知れんが、そりは年だけの事だろうが、
 
わたし 「年の話じゃないでしょう、商売の話、二人とも気持ちはわかったから、有難く戴いておきます」
「但し気持ちだけですよ、お金は当てが無い事も無いから、心配しないで」
しょうがない、ココの士気に影響がでても困るし、おいしい珈琲は飲みたいし
それに、この二人は確かに旨いもん作るから、いっちょのるか。
 
わたし 「それはそうと、聞くけど、お二人さん、ババーの中に私は入っているの?」
押さえておこうと思ったが、つい聞いてしまった
 
「見かけと年齢は、確かに違いますよねー」
薄笑いを浮かべやがって!どうとでも取れる回答すんな!
 
(^o^)ゞ 「この金は、本当は1月以内なら無利子ってことになっている」
「今年中に返せば利子は要らないから、心配しないでいいぞ」
話をすりかえるな!それに利子をピンはねしようとしやがったな!許せん
 
わたし 「とにかく、明日マスターのところに行って話しを進めるから、あなたたちもどんどん研究してくださいね、珈琲の事を」
相手をしたのが間違いだった、この二人に勝てるやつは、この世にはおらんだろう
 
なんとなく敵のペースに乗せられたような気もするが、ノー天気なわたしは、さっき思いついたお金の入手方法を試みるべく、受話器を取り上げた。
posted at 2006/04/18 16:40:28
lastupdate at 2006/04/18 16:40:28
修正
 
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